矯正治療って、審美目的なのでしょうか？
答えはNoです。
きちんとした矯正治療をすると、骨格や軟組織と調和した、良好なかみ合わせを構築することができるため、結果として見た感じも綺麗になります。人の目は不思議なもので、調和のとれた対象を「綺麗だ」「美しい」と感じるのですね。
では、矯正治療によって得られる「美しさ」以外のものとは何なのでしょうか？
矯正治療によって得られるのは、口腔内の疾患をできるだけ予防できるという事です。代表的なものは、う蝕や歯周病ですが、歯列不正による物理的な慢性刺激は、舌や口腔粘膜の疾患リスクを高めてしまいますので、そういった疾患リスクの低減も望めます。
さらに歯周病は全身疾患との関連性も明らかになってきていますので、そういった意味では、全身の疾病予防の一つと言ってもよいでしょう。
そもそも、内科、外科、耳鼻科、眼科、歯科などの区分けは、医療の専門性が違うだけで、生体は一つですから。
もうひとつ、とても大切なことがあります。それは、口唇閉鎖です。口腔内は湿潤状態で口腔内の健康状態を保てる構造になっているので、口唇閉鎖はとても重要で、免疫にも関係しています。
口呼吸と矯正治療、それにまつわる免疫のお話は、また今度したいと思います。
（雨宮湘南矯正歯科 院長）
